人生の長さは変えられないけれど、幅は変えられる。
垣内俊哉(車椅子の企業家)
先月、「ラジオ深夜便」“明日へのことば” に出演した垣内さんの言葉です。
テーマは、“障害は価値あるものに変えられる” でした。
遺伝性の病気で、弟さんも同じ車椅子生活。
後で調べたら、骨の強度が不足する先天性骨形成不全という病気で、垣内さんも何度も骨折を繰り返してきたようです。
小学校から普通の学校へ通い、長時間の手術を受けては回復を願っていました。
高校の修学旅行で、みんなと同じにして欲しいと希望したところ、先生に “そのことこそ差別ではないか” と言われ、納得しているだけに、途中帰宅してしまった、と語っています。
高校を中退し、手術でも治ることはなく、絶望のあまり飛び降り自殺をしようとしたことも・・・。
でも、飛び降りようにも柵を越えられない。
そんな話を終始曇りの無い声で語ってくれていたのが印象的でした。
幼い頃からこれまでも、すべての人たちが優しかったわけではないでしように、他人との関係をネガティブに語ることは一切ありませんでした。
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大学受験資格を得て、大学に進学。
IT会社でのバイトは、思いがけず営業で、それもトップの成績を出せたとのこと。
そして、友人とバリアフリー関連の事業を起こします。
手術が上手くいかなかったときに声をかけてくれた同室の男性や、バイト先の社長との出会いも、彼に大きな影響を与えたのかもしれません。
弟のため、次の世代のために、自分のできることをする。
勉強家で聡明で、そんな彼の前向きな言葉に、こちらが励まされた時間でした。
中でも印象的だったのは、交際していた女性とのこと。
車椅子を押して欲しくないと言う彼に、手を繋ぎたいと願う彼女。
応えようと努力するも、どうしても引っ張られるようになってしまう。
“押して欲しくないと言われたけど、引っ張って欲しくないとは言われていない”
きちんと人を思いやれる聡明な彼女と、そんな彼女と交際していた彼と・・・。
光景が見えるようで、胸が熱くなる話でした。
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